2021年6月25日金曜日

分断を乗り越えて

6月22日に開催した第68回総代会をもって,理事長の任を終え,本日が最後の勤務となりました。2年間,大変お世話になりありがとうございました。


昨年,東京五輪の1年延期について合意されたのは3月24日で,その日の新規感染者数は全国で72人でした。第4波でのピークは5月8日の7,237人,直近1週間の1日あたりの新規感染者数は1,436人と,延期を決めた時点の約20倍になっているわけですが,未だ「安心・安全な五輪にする」と言い続ける意味が私には理解できません。

私たちは,もう1年以上もマスクを着用せざるを得ない生活を続けていますが,安心して暮らせる日は,まだまだ来そうにありません。この間の政府の対応を見ていますと,残念ながら「国民の命と健康,生活」よりも優先して守りたいものがあるように思えます。

一方で,コロナ禍の中,新自由主義政策によって作り出されてきた課題がより鮮明になり,さらに深刻化しています。

「格差社会」という言葉が流行語大賞に選ばれたり,「貧困」という言葉が使われ始めたりしたのは2006年でした。つまり,その頃には深刻な社会問題になっていたということですが,今では,「格差」「貧困」は,日本社会を語る上で日常的なキーワードになってしまいました。さらに,格差社会の中で市民は分断され,「格差」「貧困」を自己責任とする意識が広がっています。

振り返ってみますと,1989年の東西冷戦の終結後,グローバル化した経済競争が激しさを増していく中で,企業の利益追求と生き残りを最優先する経済界は,規制緩和による競争と効率化の徹底を進めていきました。また,日経連が発表した「新時代の日本的経営」に見られるように,一部のエリートと,自由に雇用・解雇ができる従順な労働者を求めるようになりました。

そして,そうした労働者を育てるための教育改革を求める提言を強め,それに応じる形で新自由主義と国家主義に基づく教育改革がスピード感をもって進められてきました。それを後押ししたのが,「文部省是正指導」,教育基本法の「改正」や評価制度の導入,教職員の管理体制強化,多忙化などです。

格差社会の中で市民が分断されていったように,教職員もまた暴走する新自由主義教育改革の中で,自らの立ち位置を見えなくさせられ,分断の道を歩んでいます。

そうした新自由主義のまん延や教職員の協力・協働体制の崩壊は,学校生協の事業においても,組合員数や供給高の減少などに見られるように,様々な形で影響を及ぼしています。

私は,学校生協の将来展望を考える時,どうしてもこの「分断」の罠を打ち破っていく必要があると思います。学校生協運動の原点である「助け合い」は,教職員が子どもを中心とした教育実践にとりくむ上での原点でもあります。教職員が「選択・競争・評価」と「自己責任」を柱とした教育に埋没してしまう時,公教育は個人の利益を追求していくためのサービス産業と化してしまいます。

日本生協連の初代会長・賀川豊彦さんは「生協は事業であると同時に,助け合いの組織であり,明日を切り拓く運動である」と述べています。


私は,「助け合い」の組織である学校生協運動が,各職場の中にしっかりと位置づいて,分断された教職員どうしをつなぐ役割を果たせるようになることを願ってやみません。

(Nishizako)

2021年6月10日木曜日

黙ったままでいいのか!ある校長の決断

5月21日,朝日新聞は「現職校長 市長への提言書」という見出しで,大阪市立木川南小学校の久保校長が実名で松井大阪市長に対して提言書を送ったことを報じました。

久保校長は,提言書を実名で送った理由について,「本当に思っていることを黙ったままでいいのかなと。お世話になった先生方や保護者,担任をした子どもを裏切ってしまう感じがした」と語ったそうです。

この間,学校教育を「新自由主義」と「国家主義」が支配するようになり,まさに三浦朱門元教育課程審議会会長が言った「できん者はできんままで結構。戦後50年,落ちこぼれの底辺をあげることにばかり注いできた労力を,できるものを限りなく伸ばすことに振り向ける。100人に1人でいい,やがて彼らが国を引っ張っていきます。限りなくできない非才,無才には,せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです。」という言葉が現実のものとなっています。

その中にあっても,「今の学校教育はおかしい」,そう思っている教職員は,たくさんおられるはずです。

恐いのは,今の学校教育に何の疑問も感じない教職員ばかりになることですが,今のままでは,何年か後には,そうなってしまうのではないかと危惧します。

久保校長の提言書は,次のとおりです。

 

大阪市長 松井一郎 様

 

大阪市教育行政への提言

「豊かな学校文化を取り戻し,学び合う学校にするために」

 

子どもたちが豊かな未来を幸せに生きていくために,公教育はどうあるべきか真剣に考える時が来ている。

学校は,グローバル経済を支える人材という「商品」を作り出す工場と化している。そこでは,子どもたちは,テストの点によって選別される「競争」に晒される。そして,教職員は,子どもの成長にかかわる教育の本質に根ざした働きができず,喜びのない何のためかわからないような仕事に追われ,疲弊していく。さらには,やりがいや使命感を奪われ,働くことへの意欲さえ失いつつある。

今,価値の転換を図らなければ,教育の世界に未来はないのではないかとの思いが胸をよぎる。持続可能な学校にするために,本当に大切なことだけを行う必要がある。特別な事業は要らない。学校の規模や状況に応じて均等に予算と人を分配すればよい。特別なことをやめれば,評価のための評価や,効果検証のための報告書やアンケートも必要なくなるはずだ。全国学力・学習状況調査も学力経年調査もその結果を分析した膨大な資料も要らない。それぞれの子どもたちが自ら「学び」に向かうためにどのような支援をすればいいかは,毎日,一緒に学習していればわかる話である。

現在の「運営に関する計画」も,学校協議会も手続き的なことに時間と労力がかかるばかりで,学校教育をよりよくしていくために,大きな効果をもたらすものではない。地域や保護者と共に教育を進めていくもっとよりよい形があるはずだ。目標管理シートによる人事評価制度も,教職員のやる気を喚起し,教育を活性化するものとしては機能していない。

また,コロナ禍により前倒しになったGIGAスクール構想に伴う一人一台端末の配備についても,通信環境の整備等十分に練られることないまま場当たり的な計画で進められており,学校現場では今後の進展に危惧していた。3回目の緊急事態宣言発出に伴って,大阪市長が全小中学校でオンライン授業を行うとしたことを発端に,そのお粗末な状況が露呈したわけだが,その結果,学校現場は混乱を極め,何より保護者や児童生徒に大きな負担がかかっている。結局,子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出していることに,胸をかきむしられる思いである。

つまり,本当に子どもの幸せな成長を願って,子どもの人権を尊重し「最善の利益」を考えた社会ではないことが,コロナ禍になってはっきりと可視化されてきたと言えるのではないだろうか。社会の課題のしわ寄せが,どんどん子どもや学校に襲いかかっている。虐待も不登校もいじめも増えるばかりである。10代の自殺も増えており,コロナ禍の現在,中高生の女子の自殺は急増している。これほどまでに,子どもたちを生き辛くさせているものは,何であるのか。私たち大人は,そのことに真剣に向き合わなければならない。グローバル化により激変する予測困難な社会を生き抜く力をつけなければならないと言うが,そんな社会自体が間違っているのではないのか。過度な競争を強いて,競争に打ち勝った者だけが「がんばった人間」として評価される,そんな理不尽な社会であっていいのか。誰もが幸せに生きる権利を持っており,社会は自由で公正・公平でなければならないはずだ。

「生き抜く」世の中ではなく,「生き合う」世の中でなくてはならない。そうでなければ,このコロナ禍にも,地球温暖化にも対応することができないにちがいない。世界の人々が連帯して,この地球規模の危機を乗り越えるために必要な力は,学力経年調査の平均点を1点あげることとは無関係である。全市共通目標が,いかに虚しく,わたしたちの教育への情熱を萎えさせるものか,想像していただきたい。

子どもたちと一緒に学んだり,遊んだりする時間を楽しみたい。子どもたちに直接かかわる仕事がしたいのだ。子どもたちに働きかけた結果は,数値による効果検証などではなく,子どもの反応として,直接肌で感じたいのだ。1点・2点を追い求めるのではなく,子どもたちの5年先,10年先を見据えて,今という時間を共に過ごしたいのだ。テストの点数というエビデンスはそれほど正しいものなのか。

あらゆるものを数値化して評価することで,人と人との信頼や信用をズタズタにし,温かなつながりを奪っただけではないのか。

間違いなく,教職員,学校は疲弊しているし,教育の質は低下している。誰もそんなことを望んではいないはずだ。誰もが一生懸命働き,人の役に立って,幸せな人生を送りたいと願っている。その当たり前の願いを育み,自己実現できるよう支援していくのが学校でなければならない。

「競争」ではなく「協働」の社会でなければ,持続可能な社会にはならない。

コロナ禍の今,本当に子どもたちの安心・安全と学びをどのように保障していくかは,難しい問題である。オンライン学習などICT機器を使った学習も教育の手段としては有効なものであるだろう。しかし,それが子どもの「いのち」(人権)に光が当たっていなければ,結局は子どもたちをさらに追い詰め,苦しめることになるのではないだろうか。今回のオンライン授業に関する現場の混乱は,大人の都合による勝手な判断によるものである。

根本的な教育の在り方,いや政治や社会の在り方を見直し,子どもたちの未来に明るい光を見出したいと切に願うものである。これは,子どもの問題ではなく,まさしく大人の問題であり,政治的権力を持つ立場にある人にはその大きな責任が課せられているのではないだろうか。

令和3(2021)年5月17日

大阪市立木川南小学校

校長 久保 敬

 

 共感する先生方,ぜひ,声をあげていきましょう!

(Nishizako)

2021年4月27日火曜日

あれから1年

 

学校生協のホームぺージへのアクセスユーザー数は,月平均で1日30~40人という状況が続いています。昨年度,1日のアクセスユーザーが一番多かった日は,86人でした。

ホームページを開設していても,見てもらわないことには始まりませんから,常勤になった昨年の4月,私に何かできることはないかと考えました。


私には,ホームページをあれこれとリニューアルする知識も技もありませんので,ホームページにある「学校生協ブログ」コーナーへ投稿してみることにしました。「一人でも読んでみようとホームページを開いてもらえる人が増えれば…」という願いを込めて。


それを始めたのが,昨年の4月27日。そして,時々ではなく,1年間,毎日投稿することを決意しました。

テーマを毎日考えるのは結構大変で,何時間もパソコンの前で悩んだこともありました。

特に意識したのは,「若い教職員の学習資料になれば…」ということ。時々,柔らかいテーマを捜しながら続けてきましたが,私の思考が固い分,内容も固くなってしまい,あまり興味を持ってもらえなかったようです。

でも,何とか1年間投稿を続けることはできました(自己満足?)。

1年間を振り返って,アクセスユーザー数の増にもつながらなかったようですし,今日で「毎日投稿する」ということには,一区切りをつけたいと思います。一度でも読んでいただいた方に感謝しつつ……。

(Nishizako)

2021年4月26日月曜日

チェルノブイリ・デー


1986年4月26日,旧ソ連のウクライナ共和国のチェルノブイリ原子力発電所で,試験運転をしていた4号機で爆発が発生して,大量の放射性物質が放出されました。大爆発事故が発生して35年を迎えました。

この事故で,消火作業に当たっていた消防署員などおよそ30人が大量の放射線を浴びて死亡したほか,多くの子どもたちが甲状腺がんを発症するなど,ウクライナだけでなく同じ旧ソビエトのベラルーシやロシアにも健康被害が広がりました。


事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所から30キロ以内の区域は,今も立ち入りが禁止されています。

立ち入り禁止区域では,これまで1,500回以上火災が発生し,昨年には大規模な森林火災が発生しています。気候変動による深刻な干ばつのために,立ち入り禁止区域が設定されて以来最大の火災となり,地域の3分の1が焼けました。

消防士は,高い放射線量の汚染地域で消火活動を続けるため,ウクライナ農業放射線研究所所長のヴァレリー・カスパロフ教授は「火災では,消防士被ばくが,最も大きな問題です。吸い込んだ放射性物質が,肺に取り込まれるからです」と話しています。

事故を起こした原発は,放射性物質の飛散を防ぐための巨大なシェルターに覆われるなど対策が続いていますが,廃炉に向けた具体的なめどは依然として立っていません。原子炉内に残る核燃料をどうするかについては、いまだに解決策が存在しません。

チェルノブイリ原発事故から25年後に発生した東京電力福島第一原発事故。日本は,チェルノブイリ原発事故から何を教訓化してきたのでしょうか。原発がいったん事故を起こせば,人間の力では制御不能だということが明確になったはずです。

核と人類は共存できない!

原発依存から脱却して,再生可能エネルギーへの転換をすすめるべきです。

(Nishizako) 

2021年4月25日日曜日

室内ビオトープ

 

先日,学校生協の事務所に設置した「室内ビオトープ」がステキだったので,我が家の水槽にも設置してみました。

水槽の中の金魚たちは,最初は慣れない環境に戸惑っている様子でしたが,少し時間が経つと,いつもどおり水槽の中を元気に泳ぎ回っていました。




流れる水音も心地よく聞こえ,これまでとは違った安らぎを感じることができます。

(Nishizako)

2021年4月24日土曜日

いよいよ明日です!

 



参議院広島県選出議員再選挙は,いよいよ明日4月25日(日),投票日を迎えます。

すでに期日前投票を済ませた人も多いと思いますが,まだの人は,ぜひ明日,投票所へ行って,自分の意思を1票で表しましょう。できれば,家族も誘って,いっしょに投票所へ行きましょう。

昔から「あなたの清き1票を」ということがよく言われますが,今回の再選挙は,前回の参院選において「清き1票」でなかったことが要因で行われる選挙です。そのことを忘れてはならないと思います。

 (Nishizako)

2021年4月23日金曜日

PCR検査を受けよう

 

新型コロナウイルスの猛威が続いています。東京,大阪などには3回目の緊急事態宣言が出されるようです。広島県内においても,少しずつ感染者が増えている状況です。

広島県では,感染拡大防止のためには早期に無症状の感染者を見つけることが重要だとして,無料のPCR検査を実施しています。第1弾のPCR集中検査では,4月12日~21日に約8,000人が受検し,10人が陽性だったそうです。

県は感染者の増加傾向に鑑み,4月23日から5月16日の間,「第2弾春のPCR集中検査」を実施すると発表しました。対象者は,「広島市」「福山市」内の住居者・勤労者で,県外へ往来した人,飲食店従業員,飲食店利用者等に積極的な受検を呼びかけています。


臨時PCRスポットで検査キットを受け取って,自宅等でだ液を採取し,検体を臨時PCRスポットへ提出します。個人でも事業所(団体)でも受検可能です。

広島市内の住居者・勤労者は,5月31日まで,近くの薬局でも同様の検査を受けることができます。

その他,県内の住居者・勤労者は,県内5か所のPCRセンターで受検可能です。

※ 詳しくは,県ホームページ参照。

いずれも無料ですので,積極的に検査を受けて,みんなの命を守りましょう。

(Nishizako)